生駒通信２００６年１０月〜１２月
12月31日（日）
大晦日。1年を振り返ってみよう。身の回りのことから言えば、とくかく我が家の周辺で工事が多かった。下水工事が延々と続き、さらに新築の家が４、５軒。さらに道路の幅員拡張工事。その度に重機がうごめく音や舗装を穿つ爆音が響く。仕事環境としては辛い日々だった。
仕事の面でも、前半は何をやっても裏目に出る。乾坤一擲の取材も、発表舞台を失って彷徨う。フリーになって最大の危機を感じた。それでも挑戦し続けるしかない。幸い、『田舎で暮らす！』を出版し、後半に入った頃から、少し風向きが変わってきたような気がする。やはり、動かないと何も始まらない。
娘が小学校を卒業し、小学校関連の役から解放され、さらに自治会役員も卒業した。何年かぶりに自由の身になれた気分になった。一方で吉野まるごとプロジェクトを始動した。書くだけ口先だけからの脱皮である。そのほか割り箸産地と土倉庄三郎の影を追って吉野に通い続けた。これほど吉野に通った年はこれまでにない。おそらく『「森を守れ」が森を殺す！』執筆時以来だろう。この本が転機になったように、今年も転機になるだろうか。
12月26日（火）
大阪に出る。一つ用件がトンでしまったのだが、梅田の大丸百貨店で古本市をやっているのであえて出た。さほど掘り出し物はなかったが、幾冊か資料になりそうなものを買う。まだ体調は万全ではないので、寄り道せずさっさと帰るが、するとあんとれ生駒の近鉄百貨店でも古本市。懲りずに覗く。
しかし、どうも貧弱だ。出店数も少なそうだし、並ぶ本も精彩に欠く。なかには大丸にも出店しているところもあるから、中身が薄まったのだろうか。名物となりだした年末の古本市も、乱立するとダメだね。
12月４日（日）
クリスマス・イブは、やっぱりシンポジウム♪ なわけないが、紀伊半島研究会のシンポジウムを覗きに行ってきた。吉野の山奥で生まれ育った人の話はやはり期待通り。それどころか集落に畔田翠山が、かつて寄っていたという伝承まであるそうだ。
夜は自宅でケーキを食べてゆっくりするはずが、急に腹が痛くなり倒れる。あまりむかつくので、わざと吐いたが、よくならない。ノロウイルスかと疑う。一晩、悶々とした。
12月21日（木）
生駒の山にシイタケの原木するコナラを伐りに行く。だが、ちょうどよい太さの木は、道沿いの2ｍほどの高台にある。これを伐ると、道側に倒れてしまうよな、と思いつつチェンソーをうならせると、案の定、道側に倒れた。しかもチェンソーのバーが木に挟まれて抜けなくなった。は道を横断するように何も倒れて通れない。片づけようにもチェンソーが抜けないと…最悪の状態。引っ張るとバーが壊れそうになるし。焦りまくりながら、なんとか切り株からチェンソーを抜き取って、崖を飛び下りて道に出て、木を切断する。幸い、散歩している人は通ったが、車は通らない間に処理できた。
味をしめて？ その後も道に切り倒し、さささ、と切り分けるように。考えてみれば、伐った丸太を道に運び出す手間が楽だ。でも、急がないといけないし、木屑と落葉で汚れた道の掃除も必要で、バテた。シイタケづくりも疲れる。
12月17日（日）
吉野まるごとプロジェクトの会議のため、吉野山中に。会員の別荘（と言っても、自宅のすぐ側なのだが）のログハウスで開く。薪ストーブに吉野杉のログ。こんな山奥に集落があったのだなあ、と思わせるところで、標高も600ｍと高い。晴れていたら生駒山系も見えるというが、今日はガスに包まれていた。
会議は、みっちりやったが、その後は忘年会になだれ込み、シシ鍋だ。昨日獲れたというメスのイノシシの肉2キロと、まわりの畑で栽培しているハクサイなどの野菜。結構豪華で自給自足的な鍋である。そして、飲む。このため車では行かなかったのだから、飲まねば。グテングテンになって、お開きになって外に出ると、雪と霰。真っ白であった。その山を下りると雨に変わった。一足先に、この冬一番の雪を体験できた。
イノシシ肉の山盛り。柔らかく臭みもない。
12月12日（火）
娘が、中学校の生徒会役員選挙に立候補して、当選しちゃった。もともと、クラスから出す候補者がなかなか決まらないと言っていたので、「思い切って立候補しちゃえば」と気軽に言っていたのだが（絶対嫌だ！と叫んでいた）、本当に推薦で選ばれてしまった。立候補するかぎりはマジにやろうぜ、と私も演説原稿には口を挟んだ(^^;)。そのせいかどうか、当選。まあ、８人いるうちの一人だから、そんなに身構えるほどの役職ではないし、いい経験になるだろう。
それにしても、娘の選挙経験は、これが初めて。私の世代は、小学校の頃から児童会の選挙があって、結構「訓練」されたものだが、奈良県が遅れているのか、現在の教育環境がそうなってきたのか。民主主義の基本を経験するのが中学生になってからというのは、ちょっと遅いと思うよ。
12月９日（土）
宮川湖を訪れた。あいにくの雨空で、どんより曇り遠景が見えない。しかも数年前の水害復旧工事が各所で行われている（が、復旧にはほど遠い）。せめて閉鎖されている大杉谷登山道（大台ヶ原への登り口）を見ておこうと冬の人影のない道を走った。
そこで出くわしたのが、写真のシカだ。かなり大物が２頭。悠然と草を食んでいる。近づいても逃げない。最短３メートルくらいまで寄ったか。奈良公園なみだ。この地域では、獣害がひどく、植林も大変だそうだが、その一端を感じさせられた。ちなみに、前夜は、シカ肉の刺身とイノシシの鍋をたっぷり味わいました（笑）。
宮川湖
12月８日（金）
三重県の大台町に向かう途中、不思議なものを発見した。奈良県から高見トンネルを抜けたところだから、飯高町だと思う。「陶芸虹の泉」創作現場などと書かれてあるのだが、かいま見ると、陶器の人物像やら植物やらなんとも形容のしようがない造形物が円形に囲まれた劇場風の敷地に広がっている。個人の「パラダイス」にしては芸術すぎるし、その内容はかなり高度な技によるものだ。決して趣味でつくれるレベルではない。ただ「入場料500円」とあるものの、人もいないし、支払うところも見当たらない。
まだ未完成のようだが、情念を感じる作品であった。誰か、正体を知らない？
12月３日（日）
吉野チェンソーアートスクールの開校日。朝５時半に起きて吉野に車を走らせ、会場設営から受講生受付、寒気に耐えるドラム缶焚き火…と走り回る。講義実習中は、やることないんだけどね。スクールは非常に盛会で、幸先よいスタートを切った。これで吉野まるごとプロジェクトは、一過性でない新たな段階に入った。東京でも宣伝しまくった甲斐がある。
終了後、また会場の撤収に走り回り、事務局のメンバーと、吉野の津風呂温泉で冷えきった身体を温めにつかる。ひなびた所だったが、よい湯だった。露天風呂もあるし、料理もわりといける。もしかして穴場かも。
まずはチェンソーの扱い方の座学 もちろん実習もたっぷり。家族で参加もある。
11月30日（木）
東京で、某編集部を訪れた際、編集長が「旅の図書館」のパーティに誘われていたのを思い出し、私もご一緒した。「旅の図書館」とは、財団法人日本交通公社（ＪＴＢとは何の関係もない同名の組織らしい）が運営している。東京駅のすぐ側なのだが、知らなかった。なかには、ずらり旅関係の本が並ぶ。そこを案内してもらっていて、ふと書棚の一角に目が。なんと、我が処女作『不思議の国のメラネシア』があるではないか。
そうだよなあ。私は、トラベルライターとしてスタートしたのだった。２０数年前の本と、こうした公の場で対面するのは感激（笑）である。ほかに『里山再生』もあった。なかなか使える図書館だよ。ちなみに、編集長とは20年前に訪れた五島列島の記事も書く打ち合わせをしていた。小笠原、五島列島、そしてソロモンと、過去の島旅が次々と甦るなあ。
11月23日（木・祝）
某博物館の研究員よりメール。私が２０ン年前に行った小笠原諸島の母島洞窟調査の件で問い合わせである。静岡大学探検部として、誰も知らなかった洞窟を母島で発見、その調査を行ったのだが、そこで膨大な骨標本を採集した。その鑑定を依頼した学者に預けたままの骨が、今頃になってこの研究員の手元に届いたというわけだ。この骨の正体を探して、いろいろ人を介して私の所にたどり着いたのである。
なんとも縁としかいいようがないが、なつかしの探検時代を思い出した(^o^)。小さな穴を発掘するように広げ、フラスコ状の穴に入り込み、急傾斜の縦穴を降りると、とてつもない鍾乳石のホール「針天井の間」に出た。ところが、そのホールの下にも別のホールがあることを発見、さらに進むと、瀧のように落ち込んで……そして洞内には無数に散らばる骨、骨、骨。まさに少年冒険小説の世界だったなあ。ほかにも空を舞うオオコウモリ探し、陰々滅々たる戦争時の地下濠。光るキノコ。巨大な陥没孔……。当時の資料を引っ張り出して、果たしてどんな報告ができるか？
11月19日（日）
東大阪市の埋蔵文化財センター「発掘ふれあい館」で、生駒歴史文化フォーラム。私は、生駒山の自然について語る予定だったが、いきなり隣の縄手小学校について話しだした。実は、私の母校なのである。当時、この小学校は全校生徒2000人を越えて、1学年７クラス以上あった。クラスも４９人教室である。ところが、現在は、３５０人くらいらしい。もろに少子化を感じたわけだ。
それでも、この学校の新校舎建設現場から出た縄文式土器を盗掘した話から自然界における人間の影響の話に入り、生駒山こそ日本最古の里山である、と吹いて終わった。なかなか見事な展開だ(^o^)。
11月16日（木）
ポジフィルムの現像のため大阪へ。現像所に放り込んで、その間に友人のデザイナーに逢った。新しい名刺をデザインしてもらった御礼を兼ねて、久しぶり顔を合わしての歓談。つきあいは20年以上になるから、現況のほか、昔話も出る。あの時の会社はどうだった、あの仕事はどうだった、誰それはどうした……。で、結論は、お互い年をとってからのフリーランスの生活は厳しいねえ、と愚痴になる(^^;)。老後はどうする、なんて冗談めかしても、案外真剣である。まあ、20年以上フリーのデザイナーとライターとして生き残っていること自体が勝ち組なんだと思おう。
帰宅すると、郵便局から年末アルバイト募集のチラシ。毎年ながら、思わず応募してみたくなる。年末の郵便局の裏側を覗いてみたい思いと、仕事がなくなる（ライターは、年末の手前くらいで仕事は打ち止め）ので小金を稼ごうという思いと。これも、年齢制限にひっかかるかも。
11月15日（水）
大宇陀に、巨木の立ち並ぶ神社があると聞いて、車を走らせた。なるほど、すごい。剣主神社の境内はかなり狭いのに、直径1メートルを越えるスギが林立している。ざっと10本以上。なかには落雷でもあったのか中心部はなくなった二股の大木もあった。由来も何も書いていないが、奥にイワクラもあった。それが石灰岩なのである。神社の奥の山には巨岩があるらしいが、それも石灰岩だろうか。こんなところに石灰岩層があるとしたら、ちょっと気になる。
この神社を撮影しようとカメラを構えていると、太陽は雲の中で空は白かった。ところが太陽が出た途端、一瞬にして青空に変わった。感動的であった。
なんだかうれしくなるような典型的な田舎の風景。鎮守の森の横には、赤い火の見櫓まである。
11月９日（木）
新蕎麦を食べに、桜井市の笠へ行く。想像以上の山の中だったが、笠山荒神の前にあった蕎麦屋である。国の乱開発農場で育てた蕎麦が名物と化して、今や地域づくり成功例として注目の土地だ。挽きたてうちたての蕎麦はやっぱり美味かった。ただワサビと割り箸が安っぽいのが残念。やっぱり吉野の割り箸使ってほしいな。それにしても平日の、それも昼前なのに客がいっぱいいる。蕎麦ファンは多いだなあ。
笠そば処。隣接した農産物直売所が安い！ 思わず野菜を買い込む。
その後、東吉野村の山の中に分け入り、なんだかんだして、帰ったのは夜であった……。
11月８日（水）
海外ニュースと言えば、アメリカの中間選挙で、共和党が惨敗して民主党が議会を押さえたことだが、私は別のニュースに目がとまった。ニカラグアの大統領にオルテガが１６年ぶりに再選したというものだ。かつてニカラグアは、独裁者ソモサを追放してサンディニスタ人民戦線が革命を起こした。そしてオルテガが大統領に就任した。当時彼は３８歳だったと記憶している。
私は、このサンディニスタ政権時代のニカラグアを訪問した。左翼政権ということで、アメリカが露骨な圧力をかけて反動ゲリラコントラを操り政権打倒を行っていた時分だ。もっとも実際のニカラグアは拍子抜けするほど、資本主義的？だった。ガイドがリゾート地にカジノを開きたいと言っていたほどである。それでも、どうしようもなく貧しく、戦争の爪痕が色濃く残っていた。弾痕だらけの街。金髪碧眼の白人の女の子がスラム街を裸足で歩き、市場に孤児がたむろしている情景は、焼きついている。
オルテガ大統領には会えなかったけど、今や彼も６０歳。左翼臭さは抜けて、老練な政治家になったような気がする。
11月６日（月）
夕方、急に土砂降り。すると待っていたかのように電話が鳴った。娘から傘がないから迎えに来てくれというものだ。以前もあったのだが、基本的には迎えに行くべきではない、濡れてでも自分で帰って来いと言っている。しかし雨はきついし、暗くなっているので、車で行くことになった…（苦笑）。結局、友人も二人乗せて、みんなの家を送っていった。
近頃、娘はおしゃべりになった。学校であったこと、友人のことなど止めどもなくしゃべる。下手に口を挟もうものなら「いいから、ちゃんと最後まで聞いて！」と怒られる。そこで我慢強く（？）聞き続けるが、それなりに中学生の生活が浮かび上がる。それぞれの友人の特徴など聞いていると、まるで「ちびまるこちゃん」の世界。頭がよくてサッカーのうまい男の子から読書好きの女の子、でしゃばりな嫌われ者に帰国子女、そして障害児、不登校児まで。さらに先輩。おかげで逢ったこともない生徒の日々の行動や言動まで知ることになった。イジメやそれによる自殺など世間を騒がせる話題は多く、教員がピリピリしている様子も伺えるが、今のところクラスはうまくいっているようだ。
11月４日（土）
生駒における最高リラクゼーションを考えてみた。まず音の花温泉でゆったり浸かる。昼食は、春知かラッキーガーデンでゆったり舌鼓。食後はナイヤビンギでお茶して、マッサージ…というコースを組み立てた。さっそく実行だ。
とはいえ、朝から仕事をしてから（すでにリラクゼーションになってない）音の花温泉に行ったので、ランチはどちらも行けず（早くも計画狂う）、うどんをすするだけになってしまった。その後、なぜか道に迷って遠回りして宝山寺のナイヤビンギへ。ところが、期待していたマッサージの女性がいない。以前受けて非常に心地よかったので期待していたのだが、なんと四国へ出張中であった。かくして生駒リラクゼーション計画は次々と頓挫したが、代わりにお茶しながら本を寝そべって読む。畳なのがナイヤビンギのいいところ。いつしか寝てしまったが、これが一番のリラクゼーションかもね。
11月３日（金・祝）
今日は、チェンソーを使って伐採。タケやら雑木をばんばん伐っていると気持ちよい。遮っていた木がなくなると、かなり明るくなった気がする。伐った木をナタで小さく刻んで処理する作業もある。実は伐採よりこちらが大変なのだが…。
だいたい片づいたが、少しチェンソーの燃料が残っていた。そのままにしておくと故障の原因になるので、また太いタケを伐る。するとかしいだ棹にチェンソーのバーが挟まれて火花が散った。と、妙な音を立てて空回り。チェンが外れてしまったのだ。これ自体はまま起こることなのだが、分解してセットし直していると、動力の回転軸のスプリングが折れているのに気がついた。これでは、安心して使えない。森の整備を始めて２日目で、最大の武器を失うとは。この修理、どうしようか。
11月２日（木）
久しぶりに森遊び研究所へ。いよいよ手入れに取りかかるつもりだが、まず今日はササ刈りに終始した。これが済んでからではないと、伐採もできない。すぐ汗まみれ。健康的だなあ。刈り取りながら、どの木をどれだけ伐って、階段も補修して、林床を掃除して……といろいろ考える。毎日こちらに専念できたらいいのだが。
実は、昨日本1冊分の原稿を書き上げて出版社へ送った。そして今日から次の本の原稿にとりかかっている。近日には別の執筆予定の資料収集と取材にも取りかかる予定。そこへ雑誌記事の原稿書き直しの依頼。分量を増やして構成も大きく変える連絡が来た。やれやれ。でも心を入れ替えて、せっせと働くことにした。そうしないと将来は開けない、老後は待ってくれないと今頃気がついたわけである。その合間に汗を長そう。
10月29日（日）
久しぶりに大阪ミナミのアメリカ村を歩く。変わったようで変わっていないというか、まさに若者の街だねえ。ビッグステップの大階段ではヘンなコンテスト（特殊メークアップコンテスト？）をやっていたり、相変わらずの壁の落書き？があったり。猥雑さが妙にうれしい。そこで映画「地下鉄（メトロ）に乗って」を観る。舞台は、東京中野区の鍋屋横丁と地下鉄新中野駅。ここ、短期間だが私が住んで、勤めていた会社があったところなんだよなあ。もっとも物語は東京オリンピックの年だけど。
夜は、道頓堀でネット友達と飲む。彼は、安部総理と中学時代のクラスメートだったそうだ。
わけのわからないオタク系のコンテスト
10月28日（土）
庭で、久しぶりの焚き火。夏の作物を片づけた枯れ柴が山積みになっていたのを燃やしたのだ。と言っても、住宅街だけに気をつかう。これが真冬なら、近隣の家庭も窓を閉めているだろうから助かるのだが、この季節、昼は開けている家も多い。そこで炎も煙も大きくならないように燃やさないといけない。でも、非を小さくすると煙がくすぶって上がりがち。そこを工夫しつつ、苦情の来る間を与えない30分くらいでなんとか全部燃やした。焚き火の腕が上がった(^o^)と自画自賛。灰になった庭の一角がすがすがしい。今度は山で大きな焚き火をしたくなった。
10月22日（日）
近頃、散歩するコースに困っている。同じ道ばかり歩きたくないからだ。そこで電車に乗って山を越え（正確には抜け）、東大阪を歩いた。まず山畑古墳群を訪ねる。実は、この当たりは私の子供時代の遊び場所だ。当時はむき出しの古墳にもぐり込んでよく遊んだ。今は郷土博物館ができ、古墳も公園のように整備され保存されている。それにしても、博物館までの道は、ほとんど路地。車で入るのに躊躇しそうだ。路地歩きが好きな私としては、涎が垂れそうな地域であった(^o^)。
ちょうど、だんじりの日だったらしく、各所で山車を見かけた。そして若衆が群れて騒いでいる。生駒より、こちらの町の方が、地域の結びつきが生きていそうな感じがした。その後、昔住んでいた当たりをぶらついた。ま、ちょっとしたセンチメンタルジャーニーというところである。
10月19日（木）
ＮＨＫ奈良が、吉野チェンソーアート倶楽部を取材したいというので、昼過ぎに吉野まで出かけて逢う。と言っても、記者でもディレクターでもなくアナウンサー一人だけだった。ようするに中継のための打ち合わせである。11月９日（木）午後５時半からの「もっと！もっと！関西」という番組（関西圏しか映らない）と、午後６時半からの「ならナビ」（奈良しか映らない）の２本を生中継することに。もちろん私は、家で録画係だよん。
その後はメンバーと会議を１０時まで続ける。それから帰るのだから、家に着いたのは１２時前であった。
10月15日（日）
枚岡神社のお祭へ。予想以上の賑わい。さすが河内一のお祭だ。と言っても観光化して膨張した祭とは違って、いかにも地域の鎮守のお祭である。神輿も昔風。それがうれしいというか、子供の頃の雰囲気を残す。露店が非常に多くなっているのには驚いた。境内だけでなく、駐車場から周辺の道沿いまで。100軒近くあるんじゃないかと思うほど。しかも、綿菓子、リンゴ飴、射的、スマートボール、金魚すくいにヒヨコ釣りなどなど昔懐かしい出し物から、カニ釣りとかハンバーグなんて、あまり知らない店もある。どれもこれも買い食いしたい。どうせ味はさほどうまくないことはわかっているのだが、祭の中では食べたくなる。そして酒も飲んで歩く。これは子供の頃にはできなかった楽しみ方だなあ。
露店を順々に覗いているうちに、隣の額田駅近くに着いてしまった。戻るのも面倒だし、さらに足を延ばしてもう一駅隣の石切まで歩き、石切神社の参道見学。こちらは占い通りになっていた。しかも来週が祭だと。行かねば。
10月14日（土）
久しぶりに森遊び研究所へ。このところほったらかしだったから、何か荒れた感じがする。ちょっと本気で整備しようかと、森を見回しながら、どこをどうするか思案。あの木を切って、この木も切って、ついでにしそこのタケも切って…と伐採のオンパレード計画。でもその前に草刈りもしないといけないし、地面も均さないとマズイ。伐採木はどう処理しようか。痛んできた樹の上の展望台への渡しも作り替えるか。やることが多すぎて、わくわくする（笑）。
ラッキーガーデンに寄って店主と話す。何でもため池をプールにする工事とか、棚田の中のギャラリーづくりとか、相変わらずの途方もないことを本気でやっている。今やスリランカ人が５人もいて、国際的になってきた。
10月12日（木）
生駒山系歴史文化研究会の現地調査…ということで、大阪側の枚岡神社を起点に生駒大社までの各所を視察。私も西畑の棚田などを少し解説。しかし、このコース、私には結構身近である。そもそも枚岡神社は私の子供の頃の遊び場であり、生駒山上遊園地（スカイランド生駒）も暗峠もなじみの場。生駒大社に至っては、ほとんど今の地元である。（枚岡神社の秋祭りはこの週末だというから、久しぶりに足を運んでみようか。） シメは、生駒駅前の味楽座で懇親会。二次会はモニカーノ。全部我がテリトリーだ（笑）。
ちなみに11月19日は、東大阪市の埋蔵物文化センターでこの会が主催するフォーラム。私も講演者の一人だから、生駒山を股にかけた思い出話をするか。
10月７日（土）
イワクラ・フォーラムを覗きに大阪へ。イワクラとは磐座、つまり巨石など人が祀った石のことである。招待されたのだが、生駒山にも巨石があることだし、何か参考になればと思った次第。
ただ結果的には、外れた。話が全体的に精神世界、宗教世界に入っていく。私なんぞ、共産主義者並の唯物論者(^^;)なもので、岩を見ると、その成分は何かとか、生成過程を推測する。石の前に立って何か感じるとしたら、脳神経系に何が起きたのかと疑う。それなのに波動なんぞを持ち出されたら、引いてしまうのよ。まあ、オカルトも好きだけどね。ただしお笑いオカルトだけど。
ただ参加者を見ていると、概して熱心だ。高齢者が多いが、こうした人々を引きつけられるのなら、地域づくりに利用するべきかと策を練ってしまった。
10月５日（木）
今年何度目かの吉野通い。時間もあるので、山の裏道を走って向かうと、そこここに、おおっ、というような景色が。棚田や土手に彼岸花が咲き乱れているのだ。名所になってもおかしくないような場所がいっぱいあって、でも地元の人しか見ないだろう（外部から人が入ってくること自体が珍しいような地域）と思うと、得した気分になる。時折稲刈りに出くわして、藁のなんとも言えないよい匂いが車中まで漂う。日本の田園って、本当に美しい。ちょっと寄り道して、山の中の湧き水をポリタンクに汲む。
……景色を味わいながら走っていると、約束の時間に遅れそうになったぜ(^^;)。
10月１日（日）
今日は一人の日曜日。朝から仕事に打ち込み、気がつくと昼時を大きく過ぎている。そこで宅急便を出しに車で家を出たが、用を済ませた後にどこへ行くか決めないまま走る。ふと思い出したのが、音の花温泉。生駒の温泉でリゾートしよう！ と飛び込んだ。幸いタオルは車に常備している。いやあ、小雨の降る露天風呂もいい。そして内風呂、サウナに水風呂、泡風呂……と２時間ぐらいのたりのたりする。上がってからはアイスクリームなめなめ。ささやかな幸せを感じた小市民であった(^o^)。これからは、石鹸やシャンプーも車に積んでおこう。
これ以前は、生駒通信2006年7月〜9月へ
安楽椅子探検家 森林ジャーナリスト
