生駒通信2006年7月～9月
９月28日（木）
ついに「日本以外全部沈没」を観てきた。上映時間が夜しかないので、なかなか行きにくかったのだが、今日は三田まで行ってきて梅田に戻ったのが夕方。グッドタイミングであった。
映画は…目茶苦茶チープで、目茶苦茶悪のりした、目茶苦茶ブラックな笑いがてんこ盛り。いやはや、評価は真っ二つに割れるだろうが、楽しめたね。誰もが心の中で思っている外国差別的なセリフや国際政治ネタが次々出て来る。その描き方が、また泥臭い。もう少しなんとかならんの、と思う特撮も逆に笑えた。そして外国人の惨状を笑いつつ、日本人の醜さも滲み出させている。案外、原典の「日本沈没」の主要テーマに迫っているのではないか。もっとも筒井康隆の原作は、バーのシーンだけで終わる短編なんだけど、それを１時間38分に引き延ばすには苦労したかな。
９月25日（月）
実は昨日の百貨店では、今日の取材先への手土産を買いに行っていたのであった。そして無事取材終了。怖い人だよ、と脅されていたのだが、極めて紳士的な人物であった。そして、なんと！ 帰り際にドサッと二十一世紀梨をいただいた。それも３箱。いいですよ、いいですよ、困りました、を連発しつつもらってしまった（笑）。だって勝手に車に積み込んでしまうのだもの。
おかげで帰宅後は、近所の人などに配って歩きましたよ。それでも、まだ家には山積み。当分、梨三昧だな。
９月24日（日）
たまたまあんとれ（近鉄百貨店）に寄って、ついでに６階まで上がると、古本市がやっていた。娘同伴だったのだが、思わず吸いよせられる。文句言う娘をほっといて探書。そして発見した。ジュール・ベルヌ著の「神秘の島」の上下！ これは幻の大傑作と言われつつ絶版状態になっている本だ。私も存在は知っていたが、読んでいなかった。「十五少年漂流記」みたいに無人島生活から始まるが、なんと「海底２万マイル」のネモ船長も登場するというベルヌの集大成みたいな物語なのである。あと、これも読んでいない「グラント船長の子供たち」も絡んでくるらしい。
これだけで大収穫だが、ほかに資料になる本も発見。ほくほくであった。
９月21日（木）
昨日より東京。ずっと背広にネクタイ姿なのだが、目茶苦茶暑い。空は青く晴れ渡り、直射日光がきつい。歩くと顎から汗が滴り落ちる。訪れた先でもフウフウいっていた。しかも相手はたいてい軽装。出版社などでネクタイ絞めている人なんかいない。今朝はオタクの街・秋葉原を歩くが、みんなデイパックにティシャツ姿だ。浮いている。これでメイド喫茶に入ってみようか。しかし午後から福島で講演なのだ。福島は寒いという連絡もきていたし、やはり正装で臨まなけりゃ。
新幹線で福島駅に着き、迎えの人と県庁に。こちらも日差しはきつい。そこで「実は今、クールビズをやっていまして、みんな半袖にノーネクタイです」。おいおい、それ早く言ってくれよお。
９月17日（日）
西畑の棚田を訪ね、ヘアリーベッチの種子をいこま棚田クラブに届ける。（ブログ参照） ちょうど稲刈りの日だった。棚田の稲穂は美しい。しかし、イノシシが出る。水田の一つは完全にやられた。竹で作った柵は、古くなると破られる。仕方なくトタン製に変えていた。しかし、単に稲を倒すだけでなく、立った稲の穂まで米粒を小削げとるように食べている。生駒もいよいよイノシシ問題が深刻化するのではないか。駆除を急がないと、将来に禍根を残すだろう。芦屋みたいになったら大変だ。もっとも動物を殺さないで、という環境バカタレも多いのだが。
イノシシにやられた水田。稲穂はほとんど残っていない。
９月14日（木）
下市に、手づくり割り箸の職人を訪ねる。１本ずつ手カンナで削る箸づくりを見学したかったのだ。以前からお願いしていたのを、ようやく実現。割り箸に関しては中国製が席巻して暗い話題しかない状況だが、ここでは「注文が多すぎて大変なほど」だという。手で削った割り箸（正確にはバラの杉箸）は、いわば超高級品だ。それは高くても確実に需要があるのである。
お昼になったら、弁当を取ってくれた。恐縮しつついただくが、ふと気づくと、弁当についているのは明らかに中国製の元禄箸。割り箸職人の工房で、中国製割り箸で弁当を食べることの矛盾を感じる。その点を尋ねると、「わしらは、自分が作った箸が出るような料理屋で飯を食うことはない」。もちろん自宅では、自家製の箸を何度も洗って使っているそうである。
９月１３日（水）
最近、よくメールやブログ、ｍｉｘｉ絡みで、依頼が来る。記事や情報の提供を求めるものだ。テレビ局、プロダクション、雑誌編集部、そしてネット会社。一応返信する。「これは仕事の依頼か」と。
すると、仕事のようでいて、なんのことはない、ギャラは払う気はないものばかりだ。情報を提供するには、ちゃんと情報料を請求するよ、と言えば、払わなくもないと匂わすところもあるが、ちょっと怪しいので断る。はっきり無料と記したものもある。ふざけるな、と言いたい。仮にもプロに記事を書けといいつつ、執筆料は発生しません、だと。ネットに載せて発信してやるだけで価値があるでしょ、と思っているらしい（Ｙａｈｏｏ！セカンドライフよ、アンタのことだよ）。私はそれほどお人好しではないし、自分を安売りするつもりもない。どうせ当たる幸い、膨大な人に送りつけているに違いない。こうしたものに応じる人がいるとは、情けないなあ。
ちなみに、ちゃんと例を尽くして依頼してくる人もいる。そんな場合は応えることもある。また日本に上陸したばかりのオーマイニュースは、記事に幾ばくかの謝金を払うそうだ。そのうち書いてみるかな。
９月８日（金）
小浜経由で帰り道、汽車は敦賀から湖西に入った頃だった。背景に琵琶湖を据えて広がる田んぼを見ていると、なんとサルがいた。それも１匹２匹3匹……と群だよ、群。すでに稲刈りの終わった田んぼで、何か漁っているようだから落ち穂でも拾っているのだろうか。山の中ではない。近くに車が走る道もあるし、そもそも汽車の窓からよく見えるのだから線路にも近い。
大学時代は、サルを追いかけたこともあるのだが、いくら山中を歩いても発見できず、卒論にはならなかった。今なら案外簡単に観察できるかもしれない。こんなところにも時代の差を感じるのであった。
９月７日（木）
福井に講演旅行。往路、「この胸いっぱいの愛を」（梶尾真治著）を読む。この本は、映画のノベライズ（映画の原作も梶尾氏の小説）なのだが、私は映画を知らない。たまたま古本屋で手にとって、小説の舞台が北九州市の門司であることを知って買ったのだ。今から２０年前の１９８６年にタイムスリップした人々の物語である。
私も少年期を門司で過ごした。高校を卒業する１９７７年までである。その後数回訪ねたが、両親が門司を離れたので次第に縁遠くなってしまった。だから記憶に残る門司は８０年前後まで。昨年末に久方ぶりに門司を訪ねたが、変貌著しかった。小説の舞台は、私の思い出の時代の少し後だが、懐かしい地名や描写がいくつも出て来た。物語は、２０年前の門司に何らかの想いを残す人々が、その想いに改めて向き合う形で進行する。そして未来を変えようとする…。当然読みながら、もし私も２０年と言わず２５年、３０年前の門司に戻ったら、と想像してしまった。
最初に思いついたのは、今はなき満州軒のラーメンをもう一度食べたい…(^^ゞ もちろんそれだけではない。誰でも恥ずかしくてやり直したい思い出の一つや二つあるだろう。その後の人生を変えたかもしれない悔悟の出来事…。わずかな勇気がなかったために。つまらない対応をしてしまったために。
福井での講演を終えた後、参加者と名刺交換をした。声をかけられると、覚えのある顔がいた。誰だっけ、と一瞬頭の中がパニックになったが、なんと静岡大学時代の同級生だった。２５年ぶりの再会である。その晩は飲み歩いて、当時の同級生の消息を話し合った。門司に続いて静岡時代の思い出に包まれた一夜だった。
９月４日（月）
朝日新聞社の取材を受ける。生駒まで来るというので、場所を考えた結果、いつものラッキーガーデン(^^;)。ただ、月曜日は休業日だったな。そう思いつつホームページを見ると、９月からひつじエリアで営業開始するという。休業日でも訪れる客が絶えないので、こちらのスペースを使って開けることにしたそうだ。
さっそく記者を案内した。ちょっと予定より早く来られたので午前１１時前に着いた。おかげで、月曜開店第１号の客となった。野外だが木陰もあるし、タープも張っている。飲み物と「ひつじプレート」という軽食が食べられる。こちらは純スリランカ料理ではなく、ナシゴレンなどもあるアジアンテイスト。バナナの葉が皿という凝りようだ。でも、そういえば植えられているバナナの葉が減っていた…。ところで取材は、３時間もかかったよ。
９月３日（日）
今日は奈良で「ゲド戦記」。映画づいている、というかアニメづいているなあ。「ゲド」は前評判がイマイチだったこともあって見る気はなかったのだが、たまたまチケット屋で８００円の券が売っているのを見つけ、買ってしまった(^^;)。だから期待しないで臨んだのだけど、いやあ、そんなに悪くない。多少粗雑な展開に引っかかったけど、すんなり見てしまった。ただ「笑い」の部分がほとんどなく、全体に暗く沈んだまま進行するので、緩急がなく見るのが辛くなった人もいるだろう。また原作読んでいないだけに、全体のシチュエーションとか世界観が最後までつかめなかった。もっともそれは「ハウル」の時も同じ。
私なりに解題すると、これは神経症の映画（笑）。最近引きこもりが親を殺したり、虐待を受けた児童のＰＴＳＤが問題になっているが、主人公たちの性格設定は、そんな過去を感じさせる。だからトラウマからの解放をテーマにしているように感じた。ま、解釈なんて十人十色でいい。原作者が怒っているところを見ると、原作はそうしたテーマではないのだろう。
９月１日（金）
テアトル梅田にて「時をかける少女」を見る。早めに着いたのに、行列ができている。平日の朝に何事かと思ったら、今日は映画の日だった。安いのはありがたいけど、立ち見になってしまう。もっとも、このアニメの人気もあるかもしれない。
「時をかける少女」といえば、私にとって大林監督の映画ではなく、ＮＨＫの少年ドラマ「タイムトラベラー」である！ そして筒井康隆の原作だ。中学、高校生の頃、どんなに熱狂したことか。
しかし、このアニメ「時かけ」には驚いた。まず主人公（原作では芳山和子）どころか登場人物は全部違う。ストーリーもまったく違う。キーとなるラベンダーの香りさえ登場しない。正確に言うと、芳山和子はヒロイン紺野真琴の叔母として登場するのだけど……（この配置が心憎い）。だが立ち見の辛さなど忘れて、画面にのめり込んでしまった。夏一番の収穫。
不思議なのは作画だ。人物は簡略化した線で描かれているのに対し、風景や情景描写はきめ細やかで、家も町並みも実写のようでレトロチックなのだ。そして男２人女１人の微妙な関係が、思わずレトロな我が青春時代を思い出させてしまう(^^;)。
秋からは、「パプリカ」「日本以外全部沈没」と、筒井康隆の映画が続く。見なくてはいかんなあ。とくに後者は、「日本沈没」マニアにとって欠かせない(^^;)。もっとも小松左京と筒井康隆の二人自体が、私にとって青春の素材なのだけど。
(C)『時をかける少女』製作委員会２００６
８月23日（水）
朝から大阪府立図書館に行くため、家を出た。図書館は、近鉄東大阪線（けいはんな新線）の荒本駅の近くである。そこでホームに降りると、ちょうど列車が停まっている。さっと乗り込み座るが、動きだしてから気がついた。方向が逆だ！ かつては生駒駅が終点だったから、ホームのどちら側に停まっている列車に乗っても、大阪側に向かったが、今はけいはんな方面にも路線は延びているのだった。あああ、思うまもなく東生駒を過ぎ、長いトンネルに入って白庭台駅へ。そこでＵターンしたのであった……。考えてみれば、けいはんな線に乗るのは、試乗会以来だ。
８月21日（月）
先日の深夜に放映されて録画しておいた旧作の映画「日本沈没」を見る。もともと新作映画「日本沈没」を見てから「日本沈没第２部」を読み終え、そこで「日本沈没第１部」を読み返す……と続く日本沈没三昧のシメみたいなもの。
改めて思ったのは、旧作映画は、原作にかなり忠実であること。セリフまで原作に沿っている。特撮などは今の目からすると稚拙だが、その分人間の葛藤を描いていて、新作とは大違い。映画としての完成度はさほど高くないが、じんわり国土を失う日本人の痛みが染み入る。それに原作の第１部を読んでいると、３０数年前の内容なのに、その地球物理学的な解説は素晴らしい。これが日本にプレートテクニクス理論を広めたのだ。さらに素粒子論のトンネル効果や、いまでいう数学的なファジー理論、カオス理論も援用している。もしかしたら本当に日本列島は短期間に沈没する可能性があるかも……と今でも思わせる迫力だ。
そういえば、原作を読んだ中学生時代は、私は地学に興味を持っていた。地質、化石、地球物理に天文学。そちらの方面に進む希望もあったのに、いつのまに森林生態学へ軌道を修正したのだろう。今ではさらに別の軌道に乗り換えているけどね。
８月20日（日）
朝、庭から２階の窓を伝って、屋根まで届きかけているゴーヤの蔓から、２本収穫した。ちょっと小さくていじけている。大きく育てるには、肥料やったりしなくちゃいけないんだろうが、ほとんど放置しているから仕方ないか。幸いヒョウタンの方は、よい大きさに膨らんでいるのが幾つもある。庭木まで蔓を伸ばして見苦しいのだが、実があるのに刈り取るのも惜しくておいてある。
午後、某氏の要望で、生駒の森遊び研究所で竹を伐る。久しぶりにチェンソーを扱った。竹で灯籠を作るそうである。終わってからラッキーガーデンに寄る。こちらも久しぶり。
我が家のゴーヤとヒョウタン
ラッキーガーデンで拙著販売中
８月19日（土）
「市民の森」ゼミナール。講演時間は１時間ほどで残り１時間を質疑に当てる。そのためか人数のわりには密度の濃いゼミとなった。質疑中心というのはいいね。こちらも一方的に話すより楽しい。ただし、問題は会場となった某女子大の許可が出ず、拙著を販売できなかったこと。せっかく講演の内容と重なっているのに残念である。
その夜は、どんどこ祭の打ち上げがあった。某公民館？を借りてパーティ。手作り餃子にビールサーバーまで用意して、結構本格的なのだ。大いに盛り上がり、酔った勢いで、ゼミで売れなかった拙著も売った(^^;)。酔うと怖いものなしで販売ができるわ。
８月13日（日）
映画「日本沈没」を見に行く。草彅剛クンや柴崎コウさんのファンだから…ではない。小説「日本沈没」のファン、小松左京のファンなのだ。３０年前は熱狂したものだ。折しも「日本沈没 第２部」が出版された。さっそく手に入れるが、これを読む前に前作をおさらいしておいた方が…、でも上下２冊を読み返すのはきついな、それなら公開中の映画を見よう…という発想である。
［ここよりネタばれ注意］ 驚くべきは、その特撮である。こんなに災害シーンがリアルに描かれているとは思わなんだ。つい阪神大震災を思い出し、目頭が熱くなる……が、しかし、なんということだ！ このリメイク板の映画では、日本は沈没しないのだ!! 草彅クンの献身的な活躍によって沈没を引き止める……おいおい、そんなこと可能かよ。個人の力で大自然の変動を止めるなんて、ハリウッド的すぎる。日本映画の奥ゆかしさ、細やかさがない。小惑星相手の「アルマゲドン」ならともかく、相手は地球のマントル対流だぜ。それに、これじゃあ、第２部を読むための復習にならんではないか。
終わってから、ついでに「ブレイブストーリー」か「ゲド戦記」も見ようかと思ったが、どちらも１時間待ち。止めました。
８月11日（金）
お盆入りで混む中、河内長野までドライブ。めざすは「つまようじ資料室」なのだが、近くまで来たと思って近くを通り掛かった老人に聞くと、「もっと下の方や」。そこで細い坂道を下るが、見つからない。下でおばちゃんに聞くと、「もっと上」。翻弄されつつ行ったり来たりを繰り返し、とうとう電話をかけてたどりついた。なんだ、最初の進んでいた道の先ではないか！
かなりヘトヘトになっていたが、取材はしなくてはならぬ。割り箸のつながりでつまようじの世界も覗くことになったのだが、資料室長というか、社長の解説付きで１時間強、狭い資料室の中にいた。つまようじにかける思いは相当なものである。古今東西、つまようじについては何でもござれ、何しろ日本でつまようじの革命を起こした人の孫なのだ。弁舌は止まることを知らない。本当は割り箸との関係を聞きたいのだけど……(^^;)。
８月７日（月）
京都で打ち合わせ。その後、誘われるままに「京都環境建築研究会」に参加。主に建築を通して国産材、つまり林業の建て直しをめざすグループだ。もちろん、私はまったくの無関係者なのだが、参加者の中に知っている人が何人もいたのには驚く。しかもオブザーバー気分だったのにコメントを求められて、私も結構熱く語ってしまった。ただ終盤は京都の特殊事情というか、ローカルな話になったのでちょっと残念。
８月５日（土）
どんどこ祭。ある出店のお手伝い。フライドポテトを売るのだが、そこで、今年のゲストが「ブラックマヨネーズ」であることが話題になり、それならブラックマヨネーズ味を作ろうということになる。最初はイカスミとか黒ごまペーストを使う案も出たが、結局ノリ（「ごはんですよ！」）とマヨネーズを混ぜた。味は…磯の香りがする(^o^)。
そこでさらに悪のり。本家ブラックマヨネーズのお二人に差し入れしようということになり、ちょっと裏に手を回して舞台の前に控室にお届けする。どんな反応だったかって？ それは…秘密(^o^)。アホなことやってるわ。
８月４日（金）
大阪の古書市へ。実は、以前から連絡がつかなかった友人と逢うために出かけたのだが、もちろん古書もあさって、結構収穫があった。現在取り組んでいるテーマの本のほか、「知られざる探検家」関係の資料も手に入る。資料ばかりため込んでいるが、このＨＰの列伝も更新しなくてはならないなあ。
それにしても久しぶりに会えた友人は、超人的な生活を送っている。なにしろ自宅には電話がなく、クーラーどころか扇風機もないそうだ。団扇だけの生活。しかも６年前に末期癌で手術を受けて生還した経験がある。今は古本三昧の暮らしだ。各地で開かれる古書市を回って、注文のある資料を収集する日々。ある意味、羨ましい。
８月１日（火）
まったくどうでもよいことなのだが、たまたまテレビで滋賀県知事になった嘉田由紀子氏の経歴を知った。それによると京都大学時代は探検部に所属していたそうだ。そして学部生の時に単身タンザニアに半年暮らしている（探検部としてか、研究のためかはわからない）。探検部出身者がフィールドワークを中心とした研究者になるケースは多いのだが、彼女はそれを水辺の環境社会学として琵琶湖を舞台に応用し、それが発展？して政治家になったわけである。探検部出身者のその後の職業を調べたら面白い傾向が出るかもしれない。
７月２９日（土）
前日より沖縄に家族旅行。そして今日は娘に珊瑚の海を見せるために、北部の国頭村に行った。ここで訪れたのが、きじむなあ。エコツーリズムを実施している組織だ。実は、経営している通称・きじむなあさんは、以前ニフティの冒険フォーラムでお会いした人。2000年より夫婦で沖縄に移住してこの事業を始めたのだが、そこにお世話になった。
そしてめざすは無人島。安田ヶ島に渡ってシュノーケリングを楽しんだ。まさに観光シーズン真っ盛りのこの時期、我々のほか誰もいない。星砂の浜辺と海を独占できたのだから、贅沢であった。珊瑚礁そのものは、以前の海水の異常高温で白化してしまい、現在は回復途上といったところだが、魚はうじゃうじゃ見られるし、満足であった。
７月24日（月）
なぜか桜井市まで行って、韓国料理食って、しかも帰りにスーパー銭湯「あすかの湯」に入って来てしまった。
なかなかよい湯だった。というのは、まずぬるい(^o^)。３９度に設定されているようで、長湯ができる。サウナは高酸素にしてあり、熱くても呼吸が楽で長く入れる。洞窟風呂とかもあり、変化に富んでいる。価格も安めではないか（大人６００円）。今回はお世話になっていないけど、レストランやマッサージも充実。ただし、天然温泉ではなさそう。
まっ、こんなことやっていて、仕事は大丈夫なのか？と自問自答はしたけどね。
７月22日（土）
吉野チェンソーアート倶楽部の講習会で、１日吉野の山の中。ヘリポート用の広場だけに日差しがきつく、きつかった…。まあ、昨日までの雨よりはマシか。さて、朝９時半に現地入りして、午後８時過ぎまでいただろうか。
そして帰ろうとしたら、なんとこの日は大淀町の花火大会。花火が見られる！ と喜んだのではなく、交通規制をしていて、帰り道をふさがれたのであった。規制が解除されても、大渋滞だろう。そこでメンバーの案内で、山の中の裏道を桜井市まで走る。そこで２４号線に合流するも、またもや雨が降りだし、ノロノロ運転であった。
フクロウをカービング。東京や岐阜からの参加者もあり盛況だった。
７月20日（木）
またまた吉野へ。今日は雨の中である。出発の時から、やたら信号に引っかかる。そんな運の日がたまにある。しかし思いがけず予定が長引き、帰りの時刻が心配になった。娘を迎えに行かねばならない予定があったからである。
そこで焦って帰途に着くと、やはり信号にすぐ引っかかる(^^;)。しかも雨のためか大渋滞。開通した京奈和道路おかげで、橿原～大和郡山間は、昔よりは早くなったのだが、入り口と出口が詰まっている。しかも眼鏡を間違え、度の弱い方をかけてきたので、黄昏時になると雨に煙るのと重なってよく見えない(^^;)。信号の悪魔に見入られたように、各駅停車しつつ、最後は少し有料（第２阪奈）道路も走ってぎりぎり滑り込んだ。
週末もまた吉野へ行く予定。ルート考えないとな。
７月14日（金）
またもや吉野へ。と言っても今日は下市町だが、割り箸業者を回っていた。そしてある組合に顔を出すと、横から女性が割り込んでくる。自分の用を優先してほしいらしいが、聞くと産○新聞の記者だと。同業者だったら、譲りません(^^;)。ただ話していると、東京から旅ものの取材で吉野川流域を回っているらしい。そして割り箸について聞きたいという。
結局、一緒に紹介された業者を訪れたのだが、彼女の質問は初歩的なことで私でも応えられるなあ、と横で聞いていた。ま、それでも横から茶々を入れつつ、私はかなりマニアックな質問を。でも、結果的にここでは情報を得られず、紹介された吉野町に後日訪れることにした。
最近、私がマスコミ対応することが増えた。もっと私が取材しなければならないのに。
７月11日（火）
朝から吉野へ。まず立ち上げた「吉野チェンソーアート倶楽部」の取材に来た某新聞社の女性記者を対応した。このために倶楽部のメンバーの大半が集まり、行政まで視察にくるという大騒動となった。
午後は割り箸製造現場を取材。高級割り箸の作り方を追うと、その手間暇に唖然となる。これでは割に合わんわ。実にためになったが、とにかく暑い(^^;)。へとへとになりつつ、また下市まで湧き水を汲みに行って、よれよれで帰宅中に東京から電話。これまた吉野で進めているＩＣタグ実験の件。
吉野三昧の１日であったが、これって、どれも仕事なの？
７月７日（金）
電話に出ると、ノンフィクション作家の佐野眞一氏からだった。わっ、と驚く。実は数日前、彼が週刊新潮に連載している「甘粕大尉」に関する記事に関して、少し情報を提供していた。しかし、こんなに早く連絡があるとは思わなかった。どうやら提供した情報は、甘粕の謎の部分に関わっていたらしい。
以前から佐野氏の著作には感嘆していた。内容は私の興味に合うものと合わないものがあるのだが、何よりその綿密な調査にショックを受けていたからだ。子細な点にも驚くべき労力をかけて調べていく。その姿勢を見習わなくてはならないと私自身にも言い聞かせていた。それだけに、電話でも直接言葉を交わらせたのは感激(^o^)。そうそう、もう一点。私の著作の『だれが日本の「森」を殺すのか』のタイトルは、佐野氏の『だれが「本」を殺すのか』のパクリだという点もある(@_@)。
７月６日（木）
万博公園に行った（注・ブログに詳しい）ついでに、国立民族学博物館に入った。久しぶりである。ところが、なんだか工事中。よく見ると、「アスベスト除去工事中」と書かれてある。おかげで出入口もいつもと違うし、ビデオテークも見られないし…という点はあったが、展示はかなり入れ替わっていて、楽しめた。かつては、歩いて来れるほど近くに住んでいたのでよく来たが、奈良に引っ越してからは回数が減った。何年ぶりかの来訪だけに新鮮味がある。
ところで注目したのは、鹿野忠雄の展示コーナーがあったこと。知られざる探検家列伝に入れていたのに、そろそろ「知っている人は知っている」くらいに格上げか。もっとも、民族学関係の展示物は、それを手に入れるために現地を訪れた人のことを考えると、みんな探検家である。いや、展示しようとした人々自体が探検と冒険の人々なのだ。
鹿野は、原始の台湾を歩いた探検家。
