生駒通信2004年11月12月
12月30日（木）
朝起きると、奈良女児誘拐殺人事件の容疑者逮捕の一報。さすがにホッとする。奈良県を覆っていた戒厳令？のようなピリピリした空気は溶けるだろうか。それにしても白か紺と言っていた車の色は、結局緑だった(^^;)。新聞では、スマトラ沖大地震の津波被害者が７万人を越えていた（さらに時間ととともに９万人、そして12万人説まで出てきた）。とてつもない大災害である。日本人の死者が12人、いや13人だとか言っているのが虚しくなる。午後からテレビで紀宮清子さんの婚約記者会見。まったりした、間延びした話し方にやんごとなき血筋を感じるが、職場風景が映し出されると思わず「これっ！この人！」。紀宮さんの隣にいて話しているのは我が友人ではないか(^^;)。
禍福はあざなえる縄のごとし？ 戦争もオリンピックも、なんでもありの１年であった。
12月26日（日）
昨日の土器発見の話を娘にすると、すぐにでも行きたいという。だから今日は午前中に、今度はスコップも準備して現場に行く。始めは「ないやん」とぶつくさ言っていた娘も、私がいくつか見つけてみせると、目が慣れてきて立て続けに発見。表面だけでなく掘って探し出した。ほどなく、大物も含めて続々と発掘する。これ、結構興奮する。なかなか止めず、とうとう１時間半くらい掘り続けた。成果は、２キロくらいあるだろう。焼き方にムラがあったり、わずかに筋が刻まれたものもあり、想像がたくましくなる。絵付き土器でも見つからないか。
発掘した土器の一部。真ん中のものにはつまみが付いている。
12月25日（土）
裏山に散歩に行きかけたところで、知人のＩさんに逢って、立ち話。その中で、近くの山道で須恵器が出ることを教わる。どこどこ、と案内してもらうと、まさに普段通っている山道の脇の斜面から土器の破片がのぞいているではないか。夢中になって探すと、続々と見つかる。結構大きいものもあり、器の蓋のつまみの部分もあった。ほか底や縁など様子を残すものも多い。土壌が焼けていて炭も含んでいるから、かつてここに土器製作場があったのかもしれない。硬い須恵器だけでなく、赤くて柔らかい土師器もあるが、これらの土器が作られていたのは、古墳時代から奈良・平安時代まで。とすると、少なくても１０００年前の作品である。その頃、この山麓に集落があったに違いない。生駒山で作られた土器は、全国各地で出土するらしいが、それを思うと古代史の夢を見られる。
生駒山では、自然だけでなく考古学のロマンにも浸れるのだなあ。
12月19日（日）
娘と散歩に出た勢いで、奈良まで行ってしまった。目的は、なんと百均ショップ。たしかに東向商店街には大きなダイソーがあるが、二人分の電車賃を使って行くところじゃない。それでもヘンなものを幾つか買ってしまった。私の目的は、クリスマスツリー用のモール。帰ってから、５月のチェーンソーアート大会のオークションで競り落としたツリーハウスの置物に飾りつけを行った。なかなかイケてるでしょ？
チェーンソーアートのクリスマスツリー 
興福寺の前で寄ってきた鹿
12月18日（土）
高松宮妃が亡くなり、紀宮さーやの婚約発表が延期になった。楽しみにしていたのに(^^;)。と言っても、私は皇室マニアではない。この発表に合わせて行われるであろう、紀宮さんの身辺報道を楽しみにしていたのである。
紀宮さんは皇室の一員としては珍しく職業を持っている。山階鳥類研究所に非常勤で勤めており、給料をもらっているのだ。このことを知る人もいるだろうが、この研究所には友人が勤めており、紀宮さんの同僚なのだ。彼女とは古いつきあいで、今でも東京に行ったときはたまに一杯飲む間柄。だから紀宮報道で勤務先の研究所が映ると、友人も映る可能性がある。すでに一瞬だがテレビに映ったし、雑誌にも登場している。こちらを発見するのが楽しみなのよ(^o^)。
彼女からは紀宮さんのことも耳にしていた。しかし、これまで私が興味を持ったのは、調査で皇居とか那須の御用邸に毎度通っていることだ。さらにアホウドリのいる鳥島にも何度も渡っている。一般人は入れない空間や上陸できない島に行けるのである！ 羨ましい。思わず、一緒に連れてって、と頼んでしまった。でも今度逢ったら、紀宮さん（結婚したら、黒田さん？）の近況も聞いてみよう。
ちなみに彼女からもらった『鳥の雑学辞典』には、執筆者の中に“紀宮清子”の名もあるよ。印税ももらったんだろうな。
12月17日（金）
少し前から思っている疑問。それはウクライナ大統領選挙である。野党候補者が暗殺されかかったと話題になっている。ハンサムな候補者の顔がボコボコに腫れた写真は、ニュースで見ているだろう。原因は、ダイオキシンを一服盛られたことらしい。血液を調べると通常の6000倍のダイオキシンを含んでいたという。
で、ここからが疑問。ダイオキシンって、史上最悪の毒物と喧伝されていなかったっけ。青酸カリの数十倍も怖い毒ではなかったの？ なのに6000倍も血液中に存在して命が助かったの？皮膚が荒れるだけなの？ 耳掻き一杯の量で効果があるというコメントもあったが、同じ量の青酸カリが投与されたら、間違いなく即死である。
ダイオキシンの毒性に関する世間の常識を、ここで疑うべきだ。猛毒というのには無理がある。そりゃ摂取したら身体に何らかの悪影響はあるだろうが、レベルが違う。少なくても野焼きから出るダイオキシンを恐れるほどのものではないことは確かである。
12月16日（木）
運動がてらに、森遊び研究所の草刈りを行う。この前新調した雑木用鎌の試用でもある。刈るのは、ほとんど笹と竹。これが硬い。あっという間に刃は欠けた。「スウェーデン鋼製」なんて書いていたが、全然ダメ。それでも、案外早くブッシュを伐り開けた。本当はもっとするつもりだったが、雨がぱらついて来たので中止。
ドライブを兼ねて平群の方を走っていると、突然ダリウス型風車とソーラーパネルを備えた塔を発見。どうやら風力発電と太陽光発電をしているらしい。誰が何のために建てたのか。ダリウス型風車なんて、ちょっとマニアックだぞ。次は車を止めて観察しよう。
12月14日（火）
メガネを新調しに行く。現在のメガネが痛んできたのが直接の理由だが、最近肩こりが酷く、メガネの度が合っていないように感じたからだ。ところが検眼すると、近視は進んでいない。それよりも…老視なのだ。そのためパソコン画面などを見る際に負担がかかっているのではないか、と指摘された。そうだよなあ、自覚症状はあったのだ。最近、急に近くが見にくくなってきたことを。ただでさえパソコンの前に座る時間が延びているだけに、納得する。年相応といえども、最近の体調不良の原因と言われると、ちょっとショック。
ついでに現在のフレームは、10年前のモデルと言われた(^^;)。今度は流行りのヨン様メガネにしようかしらん。ところが、私が選んだレンズがなくて取り寄せになってしまった。新メガネの顔公開は少し先に延びた。
12月10日（金）
夜、テレビで「千と千尋の神隠し」を見る。このアニメで、私がもっとも共感？するのは、実は千尋のお父さんである。間違いとわかった道をあえて進んでみる、そこに怪しい建物があったら、つい中に入ってみる……。この気持ち、わかるなあ。私も知らない道に出くわすと、意味もなく行ってみたくなるのだ。もし、不思議な建物や街があれば、覗きたくなる気持ちが抑えきれない。無人の店に美味しそうなものが並んでいたら、食べてしまうかもしれない。きっと、私もブタになるだろう(^^;)。
ついでに言えば、このアニメで一番ワクワクする所は、石像が点在した草原の奥に忽然と登場する、安っぽい彩の食べ物屋が並んだテーマパークの残骸的商店街である。「眼」とか「肉」とか、よく読めない漢字の看板やのぼりがあるうえ、路地がいっぱいあるのも気にかかる。
生駒山にも、どこへ通じるのかわからない道があって、つい分け入ってみることがある。たいてい妙なところに出るが、それが面白い。急な森の小道を進むと、石のトーテムポールや鬼の面、奇妙な土器などが点在していて、異界じみていたことがある。そこは鬼工房という陶芸家の家兼アトリエであった。その陶芸家とは、今は飲み友達だけどね。
12月９日（木）
週末に、学童保育所で「もちつき大会」があるのだが、もち米を蒸すのに薪を使う。ところが、その薪が足りない、どこで買えるのか……という問い合わせが来た。この季節、ホームセンターでは扱っていないだろうからなあ。そこで、山へ薪拾いに行った。森遊び研究所を見て回ると、ちょうど立ち枯れしているマツがある。これなら乾燥していて燃えやすいだろう。というわけで、チェーンソーで伐採する。結構太いので倒れる方向に気をつかう。それでも何とか倒し、短く刻んで何本かを持って帰った。これを割って薪にしなくてはならない。大きな斧はないので、鉈とトンカチで割ってみたら、鉈の柄が割れてしまった(>_<)。
12月７日（火）
水餃子も食べたので、栃木県からＵターンして、東京に戻る。法政大学の教授に取材のためだが、この先生のアシスタントの女性に逢いたかった(^_^)。というのも、電話の応対が抜群に良かったからだ。単に要点を抑えた受け答えだけでなく、言い回しや丁寧さ、そして声の抑揚まで素晴らしい。これは優秀な秘書だ、と思えたので顔を見るのが楽しみだった。お逢いすると、ごく普通のお嬢さんなのだが、やはり気が利くというか、テキパキ仕事をこなしつつも、表情と言葉で見事な対応。いいなあ、こんなアシスタントがいて。あっ、教授も忙しく動き回りながら頭の回転の早い素敵な人でしたよ。私の著作に興味を示してくれたし(^o^)。
12月６日（月）
青空の下、新宿の都庁へ向かう。展望台からは富士山がきれいに見えた。今日は攻守逆転、昨日のセミナーについてこちらが都を取材する。自分が講師を務めたセミナーの意図は何ですか？ なんで東京が林業の復興に力を注ぐの？ と質問するのは、なんだか変だなぁ(^^;)。
午後は平凡社に寄ってから、栃木県宇都宮市へ。この町は、餃子の町である。駅前に看板が並び、餃子像まである。さっそく食べる。餃子そのものは店によって様々な味があるのだろうが、私の入った店は、焼くのに10分もかけて皮が分厚くもちもちしている。この皮が特徴だろうか。宇都宮の夜は、餃子で暮れていく。でも、餃子の町なんて言い出したのは、最近のはず。薄っぺらい町おこしの皮を被っているだけでなければよいが。
駅前の餃子像 
もちもち餃子 
宇都宮限定の餃子キティちゃん
12月５日（日）
今日は東京に行かねばならない。そこで朝６時に起きて着替えながらテレビを付けると「強風のため新幹線の運行は見合わせています……」。おいおい、飛行機に続いて鉄道もかよ。午後１時からの東京都の森林産業創出セミナーに出席しなくてはならないのに。幸い、ほどなく運行は再開されたようで、新大阪に着いたら予定通り便は出た。途中に遅れも取り戻したようで、予定通り11時半に立川市中央公民館に着く。が、なんて暑いんだ！ 気温は２５度を越し夏日である。台風並の低気圧がもたらした置き土産らしい。
なんだかヘロヘロになってしまったが、セミナーでは、ほかの皆さんが慎重な意見を述べる中、一人森林産業の明るい未来を描き続けたのであった。
12月３日（金）
最近、肩こりが酷い。高血圧気味だし、急にポックリ逝くのではないか……。今日は頭まで痛くなってきて、とても仕事なんぞできん！と運動することにした。選んだのが登山。時間もないので、宝山寺まで車で行き、30分で生駒山頂まで登り、30分で下山。途中のロスタイムも入れて１時間30分で終了させようという計画だ。
さっそく宝山寺裏のハイキング道を登り始めたが、平日にもかかわらず人が多い。たいてい下山であるところをみると、大阪側から登ってきたのだろう。ほぼシニアであり、暇なんだなあと思う。おっと、俺もだ。しかし、道は広いし石とセメントで固めてあるし、急坂。歩き心地悪し。スカイランド生駒は冬期休業に入っていたので、駐車場の脇の経塚に行く。ここも宝山寺なのだそうだ。その裏から山に入った。
一応道はあるが、ほとんど歩く人はいないのだろう、荒れている。ただ赤い杭を打ってあるで迷うことはなく、どんどん下りていった。落葉に埋もれた山中は、気持ちよい。廃道マニア？にお勧め。そのうち行きのハイキング道に合流するものと思って進むと、なんと宝山寺奥の院の裏に出た。せっかくだからお参りしながら帰った。時計を見ると、ちょうど１時間半である。で、肩こりが治ったかって？ 登山で肩は使わないからねえ(^^;)。
12月２日（木）
面白い本を見つけた。「ツチノコ」（木乃倉茂著・碧天舎刊）という。そう、幻の動物、ツチノコについて書かれた本なのだが、なんとツチノコを捕らえて飼育した記録なのだ！ 著者の祖父が、戦中に長野県で捕まえ、半年ほど飼育したのだ。死んでからは解剖もしている。そして詳しい記録を残しているという。本書は、それを発見した著者が改めて考察する、という構成になっている。図版や写真まであるから凄い。
私は、最初眉唾のオカルト本か、よくできたフィクションと疑った。マニアの間では有名な「鼻行類」（シュテュンプケ著・思索社）や、「秘密の動物誌」（アルベルク編・筑摩書房）など、この手の本は昔からあるからだ。しかし本書は、はっきりとフィクションだと否定する材料が見つからない。ただ出版元が自費出版を扱う賞を設けており、この本の元原稿も応募作だったようだ。その点が臭いと言えば臭い。写真（全身と骨格標本）がきれいすぎるのも怪しい。祖父の記録の現物を示していないのも残念。
ともあれ、楽しめる。本当なら動物学者の鑑定を受けるべきだと思うんだが。著者の取材に行きたいなあ。
11月28日（日）
伊勢神宮を参拝。先日、出雲大社を参拝したから、次はお伊勢さんと思っていたが、こんなに早く実現すると思わなかった。内宮（皇大神宮）へ行くと、想像以上の人出である。しかも結構な距離をぞろぞろ通勤途中のラッシュのような状態で歩く。ようやく着いたと思ったら、本殿が見えぬ。手前の門がきっちり閉まっていて、奥を見せないのだ。天皇だって見られない、ということだが……。わずかに脇から屋根の一部を覗くが、意外なほど本殿は小さく感じる。出雲大社のそそり立つ本殿とは比べるべくもない。20年に一度建て直すことは知っているが、案外使う木材の量は少ないのではないか。むしろ途中の鳥居に大木を使っているなあ、思った次第。
ちょっと期待外れであったが、その後参道の隣から延びるおはらい町通りと、おかげ横丁へ。ここは、１０数年前はは「日本一滞在時間の短い参道商店街」と言われるほどさびれていたが、町おこしに成功して、すごい賑わいとなっている。そのため何軒もの家が転居させたり、ビルを取り壊して木造に建て直したというだけある。一種のテーマパークである。が、入った「伊勢うどん」の店の客あしらいの悪さに、ちょっと興ざめ。
11月25日（木）
京都市のバイオマス事業化検討委員会の会合に出席のため、京都に。京都駅構内で「新撰組！」展をやっていた。思わず、携帯で写真を(^o^)。ＮＨＫの「新撰組！」は、いろいろ評価はあるが、私は面白く見ている。出鱈目すぎると批判されているが、私はむしろ史実にかなり忠実だと感じた。実際の事件や人間関係を、わりと真正面から抑えているのだ。本当に坂本龍馬と親交があったかもしれんよ(^_^)。
委員会の会場まで裏道を歩くと、五条のお茶屋さんの世界に紛れ込んだ。夕闇の路地に灯がともされ、格子戸の店先が浮かび上がる。幕末の雰囲気を感じる。
色紙です。
11月24日（水）
奈良県は、ブッシュのアメリカになるのだろうか。ふと、そう思った。女児誘拐殺人事件の余波である。学校やら地域から「不審者への対処」が盛んに送られて来る。それ自体は結構なことなのだが、その文面には「（子供に）知らない人が声をかけたら、絶対に話を聞いても返事をしてもダメ、すぐ逃げるように」指導するよう要請しているのだ。そして街中を保護者がパトロール中の腕章をして歩き、自治会などでも自警団を結成して見回る活動も行われている。私なんぞが昼間ぶらぶら散歩していたら、不審者扱いされそうだ。
本当にこれでよいのか。見知らぬ人と接触を絶ち、他人に不審の目を向けるよう子供に言い聞かせる。そして常に大人が目を光らせる社会でよいのか。子供を守る、という反対しようのない声に圧されて、人対人の根源的な部分が抜け落ちていかないか。
同時多発テロ以降のアメリカは、テロ防止の言葉に誰も反対できず、気がつけば言論も自由も危うくなっている。猟奇的な誘拐殺人事件に振り回されている奈良・生駒の人々を見ていると、なるほど、こうしてアメリカは変わっていったんだな、と思わせる。果たして犯人逮捕までの一過性で収まるか、少々不安である。
11月23日（火・祝）
気がつけば、勤労感謝の日であった。娘の友だち３人が我が家にやって来る。ちょうど久しぶりに森遊び研究所に行くつもりだったから、誘ったら皆で行くことになった。目的は、焼き芋である。
晴の日が続いていたのだが、森の中はわりと湿っていて、落葉に火がつかない。仕方ないので紙を使って焚き火を起こす。みんなに薪拾いを命じると、結構時間かけて、片手一握りの細い枝(^^;)。こんなところに「女の子なんだなあ」と感じてしまった。話題もおじさんの入る余地なし。何が楽しいんだか、キャッキャッと騒ぎ唄う。それでも間伐体験をさせたり、自然観察したり、ついでにラッキーガーデンでヒツジの観察？まで行った。焼き芋はちょっと焦げてしまったが、みんな楽しんだようである。間伐した木の輪切りをお土産に渡し、今後この森に来る「パスポート」とする。すると「となりのトトロ」の歌を歌い出す。「〜森へのパスポート♪」(^^;)
ちなみに私の勤労は、あまり感謝されていないような気がする……。
11月22日（月）
連休の狭間に、朝から学童保育の問題で某市会議員と面談。この種の人たちとのつきあいは慣れているが、交渉となると別。充分な準備なしに行うと禍根を残す。急に決まったため、昨日は打ち合わせと資料づくりと戦略練りなど準備で潰れた。交渉の基本はwin-win
negotiation、つまり誰もが納得した状態で要求を通すこと。上からの圧力で勝ち取るなんてレベルが低い。とくに議員を使うと、即席の効果はあっても副作用もあるからねえ。それにしても今後しばらく関わらなくてはならないと思うと気が重い。
気分転換？ に車を走らせ、つい生駒市南部のスーパーに。例の女児殺しの遺体発見現場に近い。検問があったらどうしようと思ったが、何もなかった。目撃情報も、初期の「紺色のミニバン」から「白のセダン」に変わっているから、ちょっと安心(^_^)。さすがに発見現場を訪ねることは不謹慎に思えて遠慮したが、心の中で手を合わせておいた。
11月20日（土）
朝10時より、取材。建築家の話を聞くために奈良に出かける。ファミレスで話し始め、当初は２時間の予定だったのだが、ずるずると延長。とうとう４時間半にもなった。ものすごく疲れる(^^;)。今日は妻子が旅行に出かけているので一人。そこで疲れをとるため銭湯に行く。熱めの湯と、下町情緒にもつかって、ええもんやあ。
11月19日（金）
マンディ例会。今回は、修学旅行でボルネオの先住民の村を訪れた高校生（現大学生）の報告。元気な女子大生二人であった。出発までの事前学習から始まり、飛行機やボートを乗り継いでたどり着いた村の様子。入村時に豚と鶏を殺す儀式。村人たちとの会話、踊り狂った夜、涙涙の別れの朝。まさに、うるるん滞在記である。命と食、家族、働くこと……。彼女らにとって２年前の経験なのだが、いかに人生変わったか、というお話。実は、私もその村には行ったことがあり、似たような経験もしているのだが、感動の度合いが違うなあ。歳の差か……(^^;)。
いつか、娘にも同じような体験をさせてやる。
11月18日（木）
奈良−平群で女児殺害のニュース。マスコミに生駒の地名は出ないが、誘拐現場も遺体発見現場も、生駒市境に極めて近い。テレビに映る景色も覚えがある。おそらく犯人も、この辺り在住の気がする。思わず現場を訪ねてみようかと思ったが、疑われてはたまらんので止めた。私の車も紺色なもので……。
実は、先日も生駒南部（つまり平群町近く）で、母親が実の娘を深夜の公園に縛りつけ虐待する事件があったばかり。殺人犯が逮捕されたのも、一ヶ月ほど前。また昨夜の「報道ステーション」には、東京で開かれた国の財政改革に対する地方自治体大集会のニュースに、生駒市の市長が映ったし。関係ないか(^^;)。
11月17日（水）
娘は、なぜか梅昆布茶に凝っている。夜になると、「飲むなら、やっぱり梅昆布茶ですなぁ」と言いながら、ズッズッとすすっている。それが昨夜で尽きた。そこで私はスーパーに買い物に行ったついでに探したのだが、ない。その時はまたの機会に、とあっさり思ったのだが、どうも気になって別のスーパーにハシゴした。そこで発見。購入したのを、わざと食卓の上に置いておく。
ところが帰って来るなり目にして、「これ、何？」「梅昆布茶でしょ！」「違うよ、これ」 そう言われて見ると、ただの昆布茶であった。「私の欲しいのは、梅昆布茶！」娘に叱られた。なんで、こんなことで文句言われなあかんねん。逆ギレしかけると、娘は、昆布茶に梅干し入れて飲むのであった。
11月15日（月）
先週ビデオに取っておいたテレビドラマ「Ｄｒ．コトー診療所」（前後編）を見る。４時間半である。さすがに疲れた(^^;)。それでも胸に迫るものがあった。とくに医者を志す少年が、島を去るシーンには。というのも、20年前に私が編集の仕事で関わった徳州会病院の徳田虎雄のことを思い出したのだ。本を作りながら知った彼の半生は、ドラマとオーバーラップする。
徳田の出身は、奄美の徳之島。彼の幼い頃の奄美は、米軍占領下から日本復帰したばかりで、ほとんど無医村に近かった。そこで彼は、医者になることを決心する。きっかけは、弟の急病で夜の山を越えて遠くの医者を呼びに行ったのにすげなく断られた経験だった。悔しさと、故郷の皆の期待。決して優秀ではなかった彼が、一人大阪に出て死に物狂いで勉強する。金がないから国立一本で受験し、とうとう合格して医者になる。やがて24時間365日診療の病院を立ち上げる……。
伝説のように語られる徳田の半生は、ちょっとうさん臭い。私が逢った時は、政界進出を企てて稀に見る金権選挙を展開していた。そして故郷の島には、採算を度外視した病院を建てた。もちろん票のためだ。病院を道具のように扱っていると感じ、決して好感は持てなかった。それは今も変わらないのだが、聞かされた離島の医療と教育の実情だけは、胸に焼きついた。その記憶が、ドラマを見ていて不意に蘇えったのだ。
過疎地の問題は幅広くあるが、やはり医療と教育は大きな壁だ。一人の医者がスーパーマンになっても何も解決しない。うさん臭いことをしなければ、間に合わないこともある。
11月９日（火）
某警察の某警部補が生駒まで訪ねてきた。マレーシアのことを知りたい、という。これは、公安警察のイスラム動向調査かと疑ったが、そうではなかった。なぜわかるかと言うと、直接本人に「公安ですか？」と聞いたら、否定したからである(^^;)。ｼﾝｼﾞﾙﾉｶﾖ
極めて一般的なマレーシア社会の構造やイスラムの習慣、中近東との違いなどについて解説した。日本の治安と公序良俗を守るために、お上に協力するのはニッポン人の義務である。公安に知り合い作っておくのも、何かと便利だし(^^;)……ｵｲｵｲ
まっ、それはともかく、とかく誤解が多いイスラムと無理解から困っている留学生などの一助になれば幸いだ。ただでさえアメリカのおかげで、彼らは住みにくくなっているのだから……。
11月８日（月）
知り合いの女性が個人的な記念誌を作りたいというので、ブックデザイナーを紹介するため大阪に出る。その後、女性と紀伊国屋書店に寄るが、拙著を買ってくれるというので書棚を見回った。ところが、ないのである。『日本の森はなぜ危機なのか』も『里山再生』も『田舎で起業！』も、どの本も一冊もない。私は諦めかけたが、女性は店員に『田舎で起業！』を5冊取り寄せるよう依頼した。ところが、「出版社にも残部が少ないので、1冊だけにしてください」と言われる。しかも1週間以上かかるそうだ。
出版元にも少ないということは、売行き好調と喜んでよいのか、絶版になると心配すればよいのか。そして、日本一の書店にもかかわらず、取り寄せに1週間以上かかるという流通のおかしさ。佐野さんの『だれが「本」を殺すのか』の影響もあって、出版流通の問題点に鋭敏になる。でも、よい書店営業になったm(__)m。感謝。ちなみに、拙著に興味のある方は、お早めに買い求めましょう(^o^)。
11月７日（日）
昨夜は、学童関係の会議というか飲み会があって、午前１時過ぎまで呑み騒ぐ。私も言いたい放題だった記憶があるがよくわからない(^^;)。でもって、就寝は２時を回っており、さらに夜中に何度も起きたから、ほとんど寝た気分がしないまま７時に起床。今日は自治会のハイキングで、私が幹事役なのである。酒が抜けきらないまま集合して点呼して……。じいさんばあさんにガキども、もとい、自治会の皆様を引き連れて山麓公園まで歩く。多少山あり谷あり池ありのルートにしたが、すると間違えて昨年のコースを行くメンバーがいて、すわ遭難か、と騒ぐ事態。生駒山のハイキングで遭難したら恥ずかしいわなあ。
無事行事は終えて、現地解散。実はここから数家族でまた歩いて帰るのだが、このルートが本当のハイキングになっている。今年は「ちょっと冒険」コースを取り、縄を手に急斜面を下りたり湿地帯に踏み込んだりと、結構大騒ぎしながら帰り着いたのであった。子供らは、公園のアスレチックが時間不足で消化不良だったそうだから、ちょうど良かったのではないかな。おかげで私も酒が抜けたよ。
11月４日（木）
雪の結晶をつくる実験にチャレンジ。ドライアイスとペットボトル、そして釣り糸などで誰でも自宅で簡単に雪の結晶が見られる！という実験である。結晶の写真を取るためにカメラマンとセッティングも入念に行い、始めた。ところが、途中で糸が絡んだことに気づいてやり直し。今度は30分ほどで糸に針状の結晶が育ち始めた。よし、あと少しだっ。……しかし１時間たっても針状のまま。期待していた樹枝状、六角形の雪の結晶にはならない。そこで再び挑戦。今度はドライアイスを充分にペットボトルに接触させて……が、やはり針状のまま。悔しい。三たび挑戦。しかし……。なぜもっとも雪らしい結晶にならないのか。
夕方、へとへとになって実験を諦めた。徒労感が漂うなあ。
11月１日（月）
昨夜は主催した人々と痛飲したが、心地よい寝覚め。今日は、知り合いの県庁の人が、私の希望する出雲大社と出雲ドーム、そして松江城を案内してくださった。いずれも木造建築を見るのが目的だ。
帰りの便は、午後５時過ぎ発と余裕を見ている。そして出雲空港に着いたのが午後３時半。かなりのんびりできるはずだ。そこで受付カウンターに向かうと……目が点になった。私の乗るはずの便に「欠航」と書かれているではないか。「申し訳ありませんが、機材の故障で運航が中止になりました」と、地上アテンダント。おいおい。次の便は……なんと満席と表示がある。「いえ、大丈夫です。振替客の席は取ってあります」。慣れた口調だが、事務的で、全然申し訳そうではない。とはいえ、ごねても仕方ない。
結局、空港に３時間半も滞在することになった。家に帰り着いたのは、深夜である。もう、飛行機で行くのは止めようかと思う……。
これ以前は、「生駒通信2004年９月10月」にあります。
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