バタンアイ物語７
マネージャー・インタビュー
バタンアイ物語も最後である。ヒルトン・バタンアイ・ロングハウス・リゾートのマネージャー、ジョナサン・メイヤー氏にインタビューを行った。その模様を報告しよう。。
──どんな客層ですか？
「ヨーロッパが多い。ドイツ、オランダ、スイス、それにイギリス系。台湾人も家族連れが来ます。主に４０歳以上ですね。日本人はほとんどいません。クアラルンプールやクチン在住の邦人がたまに来る程度です」
──アクティビティの利用はどんなものがありますか。
「ロングハウス訪問にジャングルトレッキング、カヤック、フィッシングなどが多い。ガイドは４人いて、みんなイバン人です（メイヤー氏もイバン人）。だから地元のカルチャーには詳しいですよ」
──動物などは見られるでしょうか。
「残念ながら大きな動物は、あまりいません。イノシシが見られたらラッキーです。バタンアイ国立公園まで行けば、オランウータンも見られる可能性があります。ただボートで２時間、徒歩２時間ですから、希望者はあまりいないのが現状です」
──エコ・リゾートを標榜していますが、どんなことに気をつかっていますか。
「下水は湖にそのまま流さず、浄化しています。ゴミも焼却せずに町まで運んでいます。緑化にも取り組んでいますよ」
──バタンアイ湖が生まれるダムの建設には反対運動もあったようですが、エコ・リゾートと関係あるのですか。
「よくダム建設というと反対運動のことを言われますが、反対はたいしたことありませんでした。むしろ多くの人が喜んでいました。生活が便利になりますから。また雇用も生まれました。現在４人の中華系の人を除くと、みんなイバ
ン人です」
──クチンからここまで車で４時間以上かかる点は、どのようにカバーしようと思っていますか。
「政府の計画では、ヘリポートを作る話もありました。しかし現在のところ建設計画はありません。むしろ私は、車で来る過程を楽しんでいただきたいと思っています。市街からローカルな田園地帯へと移り変わる地域を見て欲しい
のです。そして買い物をしてお金も落とす。ヒルトンだけが儲けるのではなくて、地域全体が豊かになることを願っているのです。そしてここに来れば一泊では短すぎます。最低２泊はして楽しんでください」
──環境を守る点でお客さんに問題はないですか。
「ノープロブレム。とくに問題のあった報告はありません。ガイドの指示にしたがっていただくだけです。イバン人の習慣などについてブリーフィングしますから、そのとおりにするだけで結構です。ここではイバン人も煙草を湖に捨
てるようなことはしません。湖を大切にしているのです」
だいたい以上のような話だった。悪名高き日本の団体客が来ていない(^^;)からと思わぬところもあったが、これまでのところは（経営的にはともかく）環境に配慮しつつうまく運営できている印象である。とくにヒルトンだけではなく地域との共存を強調していることには好感を持てた。
ぜひ、訪れる日本人が増えることを期待する。流行りのアジアン・リゾートの中でも隠れ家的イメージが強く、行けば自慢できますよ(^o^)。
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